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日々のこと

鍵のない夢を見る 辻村深月

辻村深月さんの直木賞受賞作、「鍵のない夢を見る」を読む。5人の女達を描いた5つの物語の短編集。全体的にどれも女達の転落していく様を描いた物語なので暗めのトーンではあるけれど、どの登場人物にも共感できる部分があった。人間は誰しも孤独で、不安で、焦燥感を胸に抱えて生きているものなんだなという事を改めて実感した。そして、それは程度の差こそあれど、誰しもがそうならば自分もその中の一人なのだと安堵する気持ちも生まれた。